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A-2. Tkinter での日本語の取り扱い

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Appendix 3. Tkinter のデモ スクリプト

1. 初めに

Tkinter は名前が示すように Tcl/Tk の wrapper です。Tcl/Tk は OS に依存しない GUI の草分けで、 広く普及しています。他の GUI に手を広げるにしても Tk は押さえておいた方が良いと思います。 さて、Tcl/Tk をダウンロードすると、リファレンス、デモスクリプトが同封されており、また、 Web 上にも解説記事がたくさんあります。それに比べると Tkinter の方は解説記事、デモスクリプト の量が少ないように見受けられます。特にデモスクリプトはほとんど見当たりません。

それならば、Tcl/Tk を使えばいいと思われるかもしれません。しかし、Tk は便利ですが、それを制御する言語の Tcl には紫藤はなじめません。たぶん、そう感じる人が多いので、Tk は Perl, Python, Ruby, scheme などの人気のある 言語に移植されています。

Tkinter をつくった人は Tk のマニュアルがあれば Tkinter は使えると思っていたのか、 マニュアル類は出回っていませんでした。しかし、実際にスクリプトを書いてみるとわかると思いますが、 Tkinter は Tcl/Tk とかなり違い、それなりのリファレンスがないとプログラムを書くことができません。

ようやく最近、Tkinter のマニュアルが充実してきて 本も出版されました。 Python-Tk によるプログラミングはだんだんとやりやすくなっています。

一方、サンプルコードは Web 上を探してもほとんど見当たりませんでした。 そこで、自身の勉強をかねて、Tcl/Tk に付属してくるデモを Tkinter に翻訳してみました。 翻訳は、なるべくオリジナルのデモと同じ widget ができるようにしました。 この翻訳作業は結構楽しく、また、Tcl/Tk より Tkinter の方がすっきりとプログラムが書けると感じました。 オブジェクト指向は GUI を書くとき大変有効です。

皆様が Python-Tk のプログラムを書くとき、参考にしていただければ幸いです。

2. 使い方

>python menu.py

3. 動作環境

4. デモスクリプトの構成

5. 通常のスクリプトに変換する方法

01:     #! /usr/bin/env python
02:     
03:     """
04:     button.py 
05:     
06:     This demonstration script creates a toplevel window containing
07:     several button widgets.
08:     
09:     June 14, 2005
10:     """
11:     
12:     
13:     import Tkinter as Tk
14:     import template as A
15:     
16:     
17:     class Button(Tk.Button):
18:         """ Buttons to change bg of frames """
19:         def __init__(self, master, obj, color_name, color_id):
20:             Tk.Button.__init__(self, master, text=color_name, width=15, command=self.command)
21:             self.obj = obj
22:             self.color_id = color_id
23:     
24:         def command(self):
25:             self.obj.demo_frame.config(bg=self.color_id)
26:             self.obj.demo_buttons.config(bg=self.color_id)
27:             
28:     
29:     class Demo(A.Demo):
30:         """a demo class """
31:         
32:         def __init__(self, cmain):
33:             A.Demo.__init__(self, cmain, __file__)
34:             self.ini_frame()
35:     
36:         def ini_demo_called(self):
37:             """ This method should be defined"""
38:             self.ini_demo_called_0()
39:             self.ini_frame()
40:     
41:         def ini_frame(self):
42:             self.demo_main_frame.master.title("Button Demonstration")
43:             self.demo_main_frame.master.geometry('+50+50')
44:             A.Label(self.demo_main_frame, text=
45:             "If you click on any of the four buttons below, " 
46:             "the background of the button area will change to the color indicated in the button."
47:             , width=35, wraplength='8c')
48:             for name, code in [('Deeppink', '#FF1493'), ('Cornflowerblue', '#6495ED'),
49:                                  ('Springgreen', '#00FF7F'), ('Gold', '#FFD700')]:
50:                 b = Button(self.demo_frame, self, name, code) 
51:                 b.pack(padx=10, pady=5)
52:     
53:     
54:     ##------------------------------------------------ 
55:     def demo(*av):
56:         """ function called by `index.py'"""
57:         d = Demo(False)
58:         d.demo_window.focus_set()
59:     
60:     if __name__ == '__main__':
61:         d = Demo(True)
62:         d.demo_main_frame.mainloop()

1. 26 行目を削除。
2. 29--41 行目を削除し、次のコードを挿入します。

   01:     class Frame(Tk.Frame):
   02:         def __init__(self, master=None):
   03:             Tk.Frame.__init__(self, master)
   04:             self.demo_frame = Tk.Frame(self)
   05:             self.demo_frame.pack(side=Tk.BOTTOM, fill=Tk.BOTH, expand=1)
   06:     #もし、スクリプト中に self.demo_buttons が現れるようなら、次の２行も追加します。
   07:     #        self.demo_buttons = Tk.Frame(self.demo_frame)
   08:     #        self.demo_buttons.pack(Tk.BOTTOM)
   

3. 44--47 行目を次のように変更します。 Label widget のオプションに font と justify を追加します。

   01:             label=Tk.Label(self, text=
   02:             "If you click on any of the four buttons below, " 
   03:             "the background of the button area will change to the color indicated in the button."
   04:             , width=35, wraplength='8c', font=('Helvetica', '14'), justify=Tk.LEFT)
   05:             label.pack()
   

4. 55--62 行目を削除し、以下の行を挿入します。

   01:     if __name__ == '__main__':
   02:         a = Frame()
   03:         a.pack()
   04:         a.mainloop()
   

5. スクリプト中の全ての self.demo_main_frame を self に置き換えます。

6. 終わりに

1. Tkinter reference: a GUI for Python, by J. W. Shipman (PDF): Web 上にある最もまとまっている文書。大変参考になった。
2. An Introduction to Tkinter, by F. Lundh: これも良くまとまった文書。<1> の補完になる。
3. Tkinter Wiki: Tkinter に関する情報源
4. 日本麻酔科学会関西支部: Widget ごとの簡単な説明。
5. Cafe de Paison: 日本語の入門サイト Tkinter のほかに wxPython, Qt などの情報有り。
6. Python with Tkinter : PythonのTkinterでGUIするページ: 日本語の入門サイト
7. Python/Tkinter の演習: 日本語のデモサイト、 アスキー出版、久野 靖著「入門 tcl/tk」の例題をPython/Tkinter に変換したもの。

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